CT検査

CTとは

CTは、「Computed Tomography(コンピューター断層撮影法)」の略で、コンピューター断層診断装置(エックス線)を用いて身体の断面を撮影する検査を言います。身体を輪切りにした断面図を観察でき、体内のあらゆる病巣を調べることが可能です。とくに、脳や副鼻腔、甲状腺などの頭頚部、心臓やそれに連なる大血管、気管支、肺などの胸部、肝臓、胆嚢、膵臓、脾臓、腎臓、膀胱、生殖器などの腹部の病変を調べる目的で検査を行います。一般的なレントゲン検査や超音波検査では描出するのが難しい部分の病変に関して、優れた描出能力があるとされています。

マルチスライスCTスキャナ

当院では、被爆低減技術を搭載した「マルチスライスCTスキャナ」を導入しています。高度な画像処理技術を有し、撮影したデータに対する複数のノイズ低減処理を組み合わせることが可能です。高速コンピューター搭載で、画像生成時間が短く済みます。低線量で撮影してもノイズの少ない画像生成が可能です。

CT検査のメリット

①精緻な検査が可能

スライス幅が非常に薄く、より立体的な画像を抽出することが可能です。従来の機器に比べて検出能力が大幅に上がり、データを採取するので、微細な病変も抽出することができます。

②被爆量を大幅に低減できる

撮影部位に最適なX線量を自動的に設定するので、従来に比べて被爆量が大幅に低減できます。

③心身の負担を軽減できる

精緻な検査が可能なのに、撮影時間は従来に比べて大幅に短縮しています。よって、患者さんの心身の負担を軽減できます。

検査の種類詳細について

頭部CT検査

先天性の脳疾患をはじめとする、脳腫瘍や外傷による頭蓋内血腫の大きさや位置、種類、良性・悪性などを検査できます。検査中の息止めは不要で、寝たままで検査を受けられます。

頚部CT検査

超音波検査では調べにくい部分の喉頭・咽頭・甲状腺・扁桃炎・頚部リンパ節などを精密に調べることができます。さらに、甲状腺周囲の他臓器の位置を把握するための検査や、手術後の再発など病変を見つける検査にも用いられます。のどが動いて写真がぼけるのを防ぐために、唾を飲み込まないよう合図を出します。

胸部CT検査

胸部臓器の腫瘍や、肺・気管・気管支などの呼吸器疾患を診断するための検査です。これによって、肺がんや肺炎などが分かります。CTで病変の場所を確認しながら、肺や胸膜の組織や臓器の一部を採取して生検を行うことがあります。検査中は、3~5秒の息止めが必要です。呼吸による写真のぼけを防ぐためで、「息を吸って、止めてください」と合図を出します。

腹部CT検査

腹部臓器原発の悪性腫瘍、転移性の悪性腫瘍、臓器各部位の炎症などを検査します。主に、胃・肝臓・膵臓・腎臓・大腸・膀胱・前立腺・卵巣・子宮などを診ていきます。さらに、腹部リンパ節への転移や周辺臓器への関連性のほか、下痢や嘔吐などの急性腹症の場合には胆石・胆嚢炎・膵炎・尿路結石・黄疸・消化管穿孔・膿瘍・解離性大動脈瘤などの有無を検査します。
腹部腫瘍・血管病変・炎症の診断のための検査の際は、点滴から造影剤を使用することがあります。また、検査中は呼吸による写真のぼけを防ぐために3~10秒の息止めが必要です。「息を吸って、止めてください」と合図を出します。
※腹部臓器は食事によって形状や大きさなどの影響を受けてしまうので、検査前の食事制限が必要な場合があります。その際は、医師の説明と指示に従ってください。

検査を受けられないケース

  • 心臓のペースメーカー及び埋め込み型除細動器を使用している方
  • 妊娠初期もしくは妊娠の可能性がある方
TOPへ