糖尿病

管理栄養士との連携

当院では、管理栄養士による食事指導及び保険指導を行っています。
糖尿病治療では、生活習慣や食事療法による血糖値コントロールが非常に大切です。
血糖値は、食事の内容や習慣によって大きく変化します。どんな点に気を付ければよいのか、また低血糖時の緊急処置についてなど、お気軽にご相談ください。

糖尿病とは

血液中のブドウ糖濃度が高い状態、高血糖状態が続く病気を糖尿病と言います。血中のブドウ糖を体内の細胞に取り込むには、膵臓で作られるインスリンの働きが重要になります。インスリンが不足したり、働きが鈍くなってしまうと、高血糖状態が続き、糖尿病を発症します。初期における自覚症状はほとんどありません。高血糖状態が長く続くと全身の血管障害が起こり、動脈硬化をはじめ、脳出血や心筋梗塞、腎不全、足の壊死、失明など重篤な合併症を引き起こします。また、肥満やほかの生活習慣病がある場合、血糖値がそれほど高くない糖尿病予備群の方でも、動脈硬化のリスクが高いので注意が必要です。
高炭水化物・高脂肪・高カロリーの食事・食物繊維の不足・運動不足・ストレス・喫煙・睡眠不足など、生活習慣の乱れが主な原因です。自覚症状がほとんどない疾患ですが、初期段階や予備軍の段階であれば改善が可能です。また、治療の継続によって血糖コントロールが順調であれば、健康な方と変わらない生活を送ることができます。健康診断などで血糖値異常の指摘を受けた方や、不安がある方はお気軽に当院にご相談ください。

糖尿病のタイプ

糖尿病には、1型糖尿病と2型糖尿病と大きく分けられ、それ以外に妊娠や肝臓・膵臓疾患・遺伝子異常などが原因の糖尿病があります。

1型糖尿病

インスリンが作られる膵臓の細胞が破壊されると、インスリンが不足します。インスリン量の不足による糖尿病が1型糖尿病です。原因はよくわかっていませんが、免疫反応が正しく働かないことで自分の細胞を攻撃してしまうこと、つまり「自己免疫」が関わっていると考えられています。

2型糖尿病

食生活の乱れや過度な飲酒、運動不足、睡眠不足、過度なストレスなどの生活習慣と遺伝的な条件が重なって発症する糖尿病を2型糖尿病と言います。日本における糖尿病患者数のおよそ95%以上がこの2型糖尿病です。

糖尿病の3大合併症

高血糖状態が長く続くと、ぶどう糖が血管を傷つけます。進行すると、目や神経・腎臓などに十分に血液が流れなくなります。その結果、以下の合併症を引き起こします。

  1. 糖尿病網膜症
  2. 糖尿病腎症
  3. 糖尿病神経障害

糖尿病網膜症は、血管障害による網膜病変です。無症状のまま病気が進行することが多く、失明に至る恐れがあります。糖尿病腎症は、腎臓機能が低下し、重度の場合は透析治療が必要になることがあります。また、糖尿病神経障害は、手足のしびれや痛み、感覚麻痺、立ちくらみ、味覚が鈍くなる、発汗異常、下痢や便秘、尿が出にくいなど、高頻度で全身に症状が現れます。
さらに、上記3つの合併症に加えて、心筋梗塞・脳卒中といった動脈硬化性疾患を引き起こします。いずれも、自覚症状がないまま合併症がかなり進行している場合もあるので注意が必要です。糖尿病の合併症は、適切に血糖値をコントロールすることで、進行を緩やかにしたり、止めたりすることができます。糖尿病やメタボリックシンドロームと指摘されたら、早めに医療機関を受診してください。

糖尿病の検査について

HbA1c

直近1~2カ月間の血糖値を反映します。

グリコアルブミン

直近2週間の血糖状態を反映します。

ブドウ糖負荷検査

75gのブドウ糖を溶かした水の摂取前後に採血をして、糖摂取による血糖値やインスリン値の変化を確認。糖尿病の診断、インスリン抵抗性・インスリン初期分泌などを検査します。

診断基準

  1. 空腹時の血糖値126㎎/dl以上
  2. ブドウ糖負荷試験200㎎/dl以上

※ブドウ糖負荷試験は、ブドウ糖液300kcalを飲んだ2時間後に血糖値を検査します。

糖尿病の治療方法

初期の糖尿病では、ほとんど症状が現れることがありません。とくに予備軍の状態では自覚症状がなく、病気がかなり進行した状態で血糖が300~400㎎/dl以上でなければ症状は現れません。しかし、無症状でも、高血糖状態が長く続くことで、血管に負担をかけながら動脈硬化が進行していきます。さらに、全身の血管を傷つけられることで、合併症を進行させてしまいます。インスリンを分泌する膵臓のβ細胞が破壊され、インスリンの分泌量が減少します。初期段階で治療を行うことができれば、かなり改善できるとされています。健康診断の結果で、高血糖を指摘されたり、気になることがある場合は早めに当院までご相談ください。

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